マグロの仲買人をしているお客様の紹介で、行きつけにしているすし屋の大将を紹介していただいた。
仲買人のお客様が言うには、その店は素材の味を生かすような、余計な装飾をしない、そういうお寿司が好きな人にはお勧めできるということだった。
そしてすし屋の大将の所作が何よりも美しい。少しぐらい笑顔があってもいいと思うけどねと。
そういう話を聞いていて、職人気質の大将なんだろうなと思いながら先日、初めてお会いした。
想像に反して、とても穏やかで清潔感があり、この人のお寿司を食べてみたいなと思わせる人物だった。
なるほど、仕事中は緊張感を持ち、勤務時間外では穏やかなのだ。
朝の仕込みから昼のランチ、ディナーまで立ちっぱなし。背部の筋緊張が目立ち、包丁を握る右手、シャリを握る左手とも疲労が蓄積している様子。
プロフェッショナルは必ず体のどこかに無理がかかっているものだ。
仲買人のお客様の一言、「所作が美しい」。この一言がとても印象に残っている。
私は治療室で患者様と一対一で向き合い治療をしているが、私の治療の姿は患者様には見えない。
ほとんどのお客様は目を瞑って治療を受ける。うつ伏せになれば全く見えない。
見せるという要素は必要のない仕事ではあるけれども、それでも所作は美しくありたい。そう思わせてもらった。
もちろん結果を出すことが第一だが。
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