東洋医学では人間が生きていくために必要なものは「先天の気」と「後天の気」があると考えられています。
先天の気は両親の遺伝を引き継いだもの、後天の気は食べ物や飲み物を摂ることで得られる栄養分と呼吸で吸い込まれる精気です、
先天の気は生まれた時点でその量は決まっていて、年齢を重ねるごとに減って行きます。乱れた食生活や、不規則な生活などでエネルギー(先天の気)は消耗します。
つまり健康に生活するためには、エネルギー(後天の気)を補うことが必要になります。
医食同源とは東洋医学の用語で『食べるものと薬になるものの源は同じ』という意味ですが、自分の体調に合わせた食材を摂っていれば、体の調子を整えることができると言われています。逆に、この食材を食べるとお腹の調子が悪くなる、疲れやすい、アレルギー反応が出るといった食材は自分には合ってないとカラダは教えてくれるのです。
自分に合った食材がわからない、何を食べてよいのかわからないときには、旬の食材をおすすめします。
旬の食材とは、その時期のすべての恵みを受けているものです。
その季節の太陽の光の強さ、それを防御する抗酸化力を備えた野菜、その時の土の栄養素、すべてが一番良い状態で成長しています。
同じ食材でも、旬のものと旬から外れたものでは栄養価が全く違います。
以前患者様が胃がんになり胃を切除しました。
その方の自宅に出向き治療をしていたときの話です。治療中にこんな話をしてくれました。
食欲も全くなくて、ほとんどご飯も食べられないのだけど、旬の果物だけはなぜか食べられる。そして、昨日まで食べられた果物が今日になるとカラダが受け付けない。
確かに旬の時期が終わりの時期を迎えていたからだと思う。そこで季節の変わり目に新たな旬の果物を食べてみると不思議と食べられたんです。
その話を聞いて旬の食材の持つ力というものを改めて感じさせられました。
現在は冬でもスイカが食べられるようになりましたが、日本には四季があり、それぞれの旬の食材があります。
その恵みに感謝してエネルギーを摂り入れるようにカラダを労わってあげたいものです。
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